扉をたたく人 the Visitor

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いい映画は、最初のシーンでわかるものですね。この映画も、最初のワンショットで、これはいい当たりだ、と予感しました。

じつは、ツタヤディスカスで借りたわけですが、まったく記憶にないんですな、借りた記憶が。どれ系の映画かまーったくわからず。なんの予備知識もなかりけり。もう、ディスカスだから、ケースも付いてこないので、イメージもわからず、冒頭に流れる製作者もインディペンデンス系で、まーったく、サスペンスやらアクションやら恋愛やらわからんのです。知っている俳優もいないのです。そんな、めったにない「ひとりぼっち」のところから、この物語に参加することになったのでし。

物語は、911後のクレイジーな神経質アメリカ、わたしの愛するNY。人生の時間を自分でとめてしまったような初老の大学教授の日常に、突然、移民のカップルが飛び込んできます。このカップル、ふたりとも善良ですが、とくに男性は、教授に対して好青年で。ひとなつこくも知性的で自然体の彼と教授は、すぐに友情で結ばれます。が、あっけなく、事件は起きるのであります。そして事件をきっかけに、教授は出会います、忘れていた自分の心と・・・

まず、なーんといってもカメラ!!素晴らしいセンス!演技、細部にわたりほんと素晴らしい。ムダなシーンまったくなく、美しいまでの完全な仕上がりです。そしてストーリー。いろんな人がいろんなことを象徴しています。深く読むことできつつ、しかしそんな読みなしでも、十分に堪能できる、心の旅路があります。

こういった映画が、単館で上映されて、口コミでヒットしたというアメリカに、希望があるじゃないか。

素晴らしい傑作だった。教訓めいてもいず、起伏もありすぎず、淡々としたなかに、知らない国からきた友人たちの詩的な人生が、夢の中のように織り込まれている。最後のシーンをあれで締めた、作り手のセンスに脱帽。そしていつかこれをピックアップしたのであろう自分に乾杯。この出会いに感謝!
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